哲学
AIの知能と目的――ボストロムの『直交仮説』を検討する AIの知能と目的――ボストロムの『直交仮説』を検討する 0. はじめに 1. ボストロムの直交仮説 2. カント主義からの直交仮説への反論ルート 3. 道徳的実在論からの直交仮説への反論ルート 4. 自然科学的知…
Ema Sullivan-Bissett & Rafe Mcgregor, better no longer to be - PhilPapers ベネターは存在してしまうことは常に害であるとした。この論文では、もしベネターの「快楽と苦痛の欠落についての非対称性論法」と「貧しいクォリティ・オブ・ライフ論法」を受…
Baptiste Le Bihan, Space Emergence in Contemporary Physics: Why We Do Not Need Fundamentality, Layers of Reality and Emergence - PhilArchive 「空間(時空)は根源的には存在していない」物理理論をそう解釈する説が賑わっている。この説は「時空は…
この論文では、心的状態(信念、欲求などの命題的態度)はその人の内的状態に言及しているわけでなく、虚構であるという「虚構主義」をとる。心的状態は虚構であるが、人々の状態や行動を説明するのに適切に役立つものである。また、心的状態は人々に対する…
抽象的人工物説では、フィクショナルキャラクターは法や結婚と同じような抽象的な人工物である。Sainsburyは「抽象的人工物説が正しいのなら、作者や読者はキャラクターについてのカテゴリーを根源的に間違っていることになるが、それはおかしい」という「カ…
ストーリーとは出来事であり、物語が示す命題(内容)ではない。ストーリーはキャラクターと同じような存在者である。物語性(物語の特徴)を担っているのは、出来事としてのストーリーである。ストーリーが出来事であることを念頭に置けば、作品間でストー…
www.jstage.jst.go.jp ある理由が行為を合理化するのはどのようなときか?:人が一定の種類に対するある種の賛成的態度を持ち(欲求)、自分のする行為がその種のものだと知っている(信念)場合(デイヴィッドソンの立場、ホーガンとウッドワードがさらに条…
www.jstage.jst.go.jp 動機理由と規範理由:二種類の行為の理由。動機理由:行為者を行為へと動機づける理由。「~である」命題規範理由:行為を支持し、客観的に正当化する理由。「~すべき」命題 理由の内在主義:規範理由についての説。考慮事項Aがある行…
参考文献 ci.nii.ac.jp 知覚に関する三つの立場:センスデータ説、志向説、選言説 センスデータ説:知覚において主体が気づいているのは、実在物ではなくセンスデータである。幻覚論法:センスデータ説を支持する論法。実在物はないのに主体にとってあるもの…
参考文献 理由の反心理主義に基づいて行為の反因果説を擁護する 行為の因果説:行為と理由は行為の原因に他ならない(デイヴィッドソン)。 行為の理由となる信念・欲求の組があったとしても、他の組との差異がなければならないそれが因果関係となる。 心理…
Truth in Fiction - Woodward - 2011 - Philosophy Compass - Wiley Online Library 1.フィクショナルワールド 2.同一性問題 3.生成問題 4.基幹真理の生成 1.フィクショナルワールド ある人がフィクションに従事しているとき、フィクショナルワー…
onlinelibrary.wiley.com この論文では次の三つの問題を扱う。 ①フィクションは想像により定義できるか?②フィクションの想像はde re(事物についてのもの)かde se(自己についてのもの)か、もしくはその両方か?③「想像することの抵抗」はどのように生じ…
http://www.iep.utm.edu/fict-par/ 我々はフィクション作品を鑑賞するとき、しばしば情動が揺さぶられたと主張する。しかし、情動の本質について考えると、この事象はパラドックスを引き起こす。 フィクションのパラドックスは、正しそうに見える以下の三つ…
onlinelibrary.wiley.com 我々はしばしば、暁美ほむらや、アンパンマンや、ハリー・ポッターなどといったフィクショナル・キャラクターについての文を発話したり、思考したりする。このとき、いったい何を指示しているのだろうか? 反実在論者は何も指示して…
このもの主義 Haecceitism (Stanford Encyclopedia of Philosophy) この世界の形、色、質量、大きさなどすべての質が同一であったとして、たったひとつだけ現実と違う世界がある。あなたがいないのだ。あなたの代わりに、あなたとまったく同じ質的性質を持つ…
セクション4では、形而上学的に偶然だが法則的に必然である法則の例として、微細構造定数αとそれに基づくクーロンの法則が挙げられます。 セクション5では、ある法則は形而上学的に偶然だが、別の法則は形而上学的に必然であると論じられます。形而上学的…
物理法則の力はなにを根拠にしているのでしょうか? セクション2では、本質主義者の「因果力を与える本性」が物理法則の根拠になっているということを説明し、それは強すぎる主張だとします。 セクション3では、根源的自然種の例化というアイディアを検討…
法則は偶然的なのでしょうか、それとも必然的なのでしょうか? この論文の著者は、ある法則は必然的であり、別の法則は偶然的だとしています。 このエントリでは、セクション1の先行研究の紹介と、著者の主張のみです。セクション2からはのちに新しいエン…
mindsonline.philosophyofbrains.com アブストラクト ○汎心論とは? ○ラッセル的汎心論 ○物理主義と二元論の困難とラッセル的汎心論の有利な点 ○構成的汎心論と創発的汎心論、およびその問題点 ○IIT ○IITと組み合わせ問題 ○現象的結束の立場 ○融合の立…
心の哲学の代表的論者、デイヴィッド・チャーマーズの論文です。汎心論と汎原心論、ラッセル的一元論、汎質論についての議論がまとめられています。 www.oxfordscholarship.com チャーマーズは『意識する心』と『意識の諸相』が翻訳されています。 www.amazo…
The Problem with Phi: A Critique of Integrated Information Theory 論文の背景 ジュリオ・トノーニは意識の量を測るための「情報統合理論(IIT)」を提唱した。 それは、「意識とは統合情報である」という理論だ。統合情報とは、「システムの要素が生成す…
Jannes, Jil(2009) "Some comments on "The Mathematical Universe"" link.springer.com 一行で言えば? 宇宙は数学だ!という説があるけど違うよ。 どんな背景なの? この論文は『数学的宇宙』という考え方を批判したものだ。数学的宇宙とはこの世の根源は…
Fiora Salis(2016) "The Nature of Model-World Comparisons" The Nature of Model-World Comparisons | The Monist どんな背景なの? 科学哲学においての問題に、モデルを使ってどのように現実世界の知識を得るのか? というものがある。力学方程式に従う理…
Stanford Encyclopedia of Philosophyの"Properties"1-1節より Properties (Stanford Encyclopedia of Philosophy) 二つの赤いリンゴaとbがあったとしよう。これは何を意味しているのか? 普遍者説によれば、これは次のことを意味している。①aは赤い、bは赤…
今日から読んだ論文を日記にしてまとめることにしました。一週間で二回更新が目安。 原文はここ
フレンドリーAIのアイディアで知られるYudkowskyのエッセイです。 ここで原文は読めます。 1、Intoroduction フレンドリーAI(FAI)とはフレンドリーな超強力実行化プロセスである。 フレンドリーAIに必要なものとは。 ①道徳などの不変性が自己改良において…
●言語論的転換:言語の機構の解明により他の機構を説明しようという方針の転換 ●人工言語派:日常言語では哲学の諸問題は解決できないので論理学に基づいた言語を作ろう ●日常言語派:日常言語を丁寧に分析していけば哲学的問題に答えられる ●意味のイメージ…
心の哲学 ●二元論における二つの問題 ○心物因果の問題:非物理的原因が物理的原因を動かすのは念力のようなもの ○過剰決定の問題:心的状態と物理的状態という二つの原因が身体行動を決定していることとなってしまう。しかし、どちらか単独で十分な原因のは…
チャルマーズの『哲学的ゾンビ』論法(様相論法)により生み出された性質二元論への批判論文です。 原文はここで読めます。 現象判断のパラドックスと因果性 要約:様相論法により導き出された性質二元論では、意識には物理領域への因果的インパクトがなく、…
科学哲学まとめ 演繹・帰納関連 ●仮説演繹法 手持ちのデータから帰納して仮説をつくる→仮説から演繹して予言する→実験により仮説を確証/反証する ●論理実証主義 直接に真偽を確かめられるのは観察文のみ、理論文は検証できないが、観察文に翻訳することがで…